今回は、オンラインレッスンや動画配信、DTMなど様々なシーンで活用できる多機能オーディオインターフェース【YAMAHA AG06】をご紹介しながらレビューしていきたいと思います。
※現在、更にハイクオリティーになったAG06MK2が発売されております。今回ご紹介している機能などはもちろんMK2でも健在です。
YAMAHA AG06はVox-y音楽教室でも2部屋のレッスンルームに常設しています。
オンラインレッスンから普段のレッスンまで大活躍のこの『YAMAHA AG06』
小型版のAG03でも参考になる内容になっています。
本機の基本的な使い方~活用法までを早速レビューしていきます!
YAMAHA AG06の特徴
YAMAHA AG06は動画配信~楽曲制作までマルチに対応できるミキサータイプのオーディオインターフェースです。
シンプルなミキサータイプのコンソールはリアルタイムに音量調整が必要な動画配信や楽器のオンラインレッスンなどではとても操作がし易く、マイク音声や楽器入力、PC音声(ループバック機能)を最適にミキシングすることが可能です。
直感で音量調整の操作ができるので配信やオンラインレッスンに集中することができます。
Hi-Z入力端子はもちろん、48Vファンタム電源やヘッドセット端子も装備しています。
※ループバック機能とは、例えばPCで再生する伴奏に歌や楽器を重ねて配信、録音ができる機能の事です。一部のオーディオインターフェースに内蔵される機能のこと。
ハイレゾ最大192 kHz、対応量子化ビット数: 24 ビット
更にソフトウェア『AG DSP Controller』を利用すれば、EQ、コンプ、リバーブ、ギターアンプの細かな調整が可能に!
ひと手間加えるだけで、よりリスニングし易い1ランク上のサウンドクオリティーに仕上がります。
また、iPadで使用できるよう、Class Compliantモードも搭載。
AG06は、『Cubase AI』も同封しており買ったその日から本格レコーディングを楽しむことができます。
スタインバーグのiPad用音楽制作アプリケーション「Cubasis LE」にも対応しています。
なぜ、オンラインレッスンにはAG06がオススメなのか?入力数に注目
まず、オンラインレッスン(楽器レッスン)用のオーディオインターフェースを選ぶ際のポイントとして大事なことはなんでしょう?
「音質?」、「価格?」それとも「操作性?」
もちろんこれらも重要な要素なのですが、機種選びで最初に注意するポイントは、
『入出力の数』(特に入力数)です!
よく「2in/2out」とか「8in/8out」と表記されているのがこの入出力の数です。
「in」が入力、「out」が出力の数を表しています。
例えば、「マイクを一本」、「エレキギターを一本」、「音楽再生用のiPhone」これらを繋ぎたい場合には入力は3チャンネル必要です。
入門機によくある「2in/2out」では既に対応できませんね。
Macでは機器セットという機能を使ってオーディオインターフェースを2台以上同時に使用することもできますが、Zoom側が対応していないのでこちらも注意が必要です。
また、対応する端子の種類も気を付けなければなりません。
XLRキャノン端子、モノラルフォン端子、ミニステレオフォン端子、RCAピン端子などいろいろな形状の端子があるので必要な端子が差し込めるか事前にチェックしましょう。
しかし、機械的なことが苦手な人や、今後どのような使い方をするのかがわからない方もいるでしょう。
こんな方にも、『YAMAHA AG06』がオススメです。
ミキサータイプ+@で基本的な入力端子をすべて搭載していますし、配信のための機種なのでヘッドセット専用の入力も備えています。
後から入力端子が足らないなんてことには殆どならないと思います。
マスターボリュームも付いているので、各入力のバランスを崩すことなく全体の音量調整をすることができます。
メインの1,2チャンネルには各種エフェクトを搭載しています。
『AG DSP Controller』ソフトを使えば、より聞こえやすく音声を配信することができます。
各チャンネルには予め数種類のエフェクトパターンが用意されていまて、
「ヘッドセット用」、「ダイナミックマイク用」、「男性」、「女性」、「スピーチ用」など、実際に使用している環境にあわせて最適なエフェクト設定が簡単にできてしまいます。
とにかく、こんなにも多機能な上にコンパクトで軽く、持ち運びもできるサイズ感なのは流石です!
オンラインレッスン(楽器用)での『AG06』使用方法
Vox-y音楽教室では2部屋にこの『YAMAHA AG06』を設置しているのですが、それぞれ異なった使用方法をしています。
大まかにそれぞれの接続、使用方法を見ていきましょう。
パターン①(ギター、ベース、ボーカルレッスン用)
画像では少し見づらいですが、接続は以下のようになっています。
・CH1 コンデンサーマイク
キャノン端子で接続、48v電源オン、COMPオン
・CH2 エレキギター、ベース
ギターアンプ → ダミーロードでLINE出力 → スピーカーシミュレーター(IR)→ AG06
ベースアンプ → スピーカーシミュレーター → AG06
・CH5/6 音楽プレーヤー用
RCAピン端子
・TO PC LOOPBACK
パターン⓶(ドラム、ピアノ、ボーカルレッスン用)
使う楽器によって接続方法を変えたりしますが、画像は電子ドラムでの接続例です。
・CH1 コンデンサーマイク
キャノン端子で接続、48v電源オン、COMPオン
・CH5/6 電子ドラム or 電子ピアノ
・AUX 音楽プレーヤー
音量はプレーヤー側で調整
・TO PC LOOPBACK
AG06なら、いろいろな接続方法ができる
上記の接続の方法は一例に過ぎません。
まだ、空きのチャンネルが残っているのでこの他にも様々な使い方ができます。
弾き語りなら歌とアコギでマイクを1本ずつ立てたり、ギターアンプをステレオで鳴らすこともできます。
仲間と配信する時にも十分な入力数です。
生ドラムならスネア、キック、タム、ハイハット、オーバーヘッド、ルームと多チャンネルで収音できます。この際は別途マイクプリアンプが必要ですが。。
みなさんそれぞれ利用方法は異なると思いますが、是非この入力数を活用してみてください!w
『AG DSP Controller』エディターの魅力
さて、前にも少し触れていますが『YAMAHA AG06』には『AG DSP Controller』と言うエディターソフトを使い、DSPで動作する様々なエフェクトを設定することができます。
DSPとは、エフェクト処理をPC内ではなく、本機内部で処理が可能になる機能のことです。
本体内部で処理ができるということは、PCのCPUに負荷を掛けずに処理できるということです。(リアルタイムのエフェクト処理は結構なCPU負荷が掛かります)
また、オーディオインターフェース内で処理するということは、出力前にエフェクトを掛けることになりますので、リバーブなどを掛けた状態で音を配信することが可能になります。
『AG DSP Controller』はこのエフェクトのDSP処理をPC内で調整操作するためのエディターソフトなのです。※各パラメーターのコントロールのみで、実際のエフェクト処理は本機のDSP回路で処理しています。
操作方法
まず、『AG DSP Controller』をインストールしてソフトを開き、「EASYモード」と「EXPERTモード」から好みのモードを選びます。
「EASYモード」は最小限のコントロール項目で設定ができます。「EXPERTモード」では各パラメーターを調整して細かな音作りができます。
上、「EASYモード」
下、「EXPERTモード」
AG DSP Controller EXPERTモード
CH2にはギターアンプシミュレーターも入っていますね。
「EXPERTモード」では細かな音作りができますが、設定項目も多い上に、初心者にはやや難しく感じるかもしれません。
そこで...
様々なプリセットを使ってみよう!
『AG DSP Controller』には予め様々なシチュエーションに合わせたプリセットが搭載されています。
大抵の場合はこのプリセットのみで良い音に仕上げることが出来るかもしれません。
または、このプリセットを基に微調整してあげることで、初心者でも簡単にセッティングできるでしょう。
初心者がエフェクトの掛け方や効果を知っていくにはこの方法がオススメです!
この『AG DSP Controller』をマスターしてYAMAHA AG06の性能を120%引き出しましょう!
AG DSP Controller 各プリセット画面
写真は、CH1に入っているプリセットの数々。
唄、楽器、マイクの種類、男性、女性と分かり易く区別されています。
ここから用途に合ったプリセットを選択するだけでEQ、コンプ、リバーブなどが一瞬で切り替わります。
また、自身で編集したプリセットは個別でフォルダに保存しておくことも可能です。
是非、ご自分のお気に入りのセッティングを作成してみてください。
AG06でデモ演奏してみました♪
ここまで、『YAMAHA AG06』の魅力をお伝えしてきましたが、以前実際に『YAMAHA AG06』を使用したデモ演奏を、Vox-y音楽教室の講師と収録していたのでご紹介しておきます。
いのちの名前 【千と千尋の神隠し】より / ボーカル ピアノ カバー
いかかでしょう。
ボーカルとピアノは一発録りの同時録音ですが、とても良い音でレコーディングできています。
流石のVox-y講師陣です!
Vox-yオンライン音楽教室では『お試し30分レッスン』をご用意しておりますので、興味のある方は是非ご利用ください。
使用機材
オーディオインターフェースは『YAMAHA AG06』、マイクは『Audio Technica AT4040』、ピアノは電子ピアノ『YAMAHA クラビノーバ』を使っています。
DAWソフトは『Studio One 5』です。
『YAMAHA AG06』には『Cubase AI』も同封しているので、買ったその日からこのようにレコーディングを楽しむこともできますね。
使用機材については、ホームスタジオや配信などでも一般的な機材しか使っていません。
普段、私は別途マイクプリアンプを使用していますが、この時は『YAMAHA AG06』に内蔵のマイクプリアンプのみ(本体直差し)を使っています。
またエフェクトはAG06に搭載の物を使って掛録りしています。
それにしても良い音です。
まとめ
今回は、大人気機種『YAMAHA AG06』の紹介レビューをしてきましたが、私自身もあらゆる可能性を秘めた名器だと思っています。
元々はオンラインレッスン用にと思い、導入しましたが今ではレコーディングに練習、音楽鑑賞まで無くてはならない存在となりました。
AG06はもちろん、AG03も非常にオススメいたしますので興味があれば是非購入してみてください!