
今回は実際のオンラインレッスンについて、どんなレッスンをおこなっているのかを、いろいろと解説を交えながらご紹介していきたいと思います。
今回ご紹介するのは入門、初級編のレッスンについてです。
ピアノが初めての方、これから始めたいと思っている方はぜひ参考にしてみてくださいね♪
1. 楽譜を読むことの大切さ
ピアノを弾けるようになるために、まずいちばん大切になってくることはなんだと思いますか?
それは、楽譜をきちんと丁寧に読めるようになることです。
そんな当たり前なこと… と思われる方もいるかもしれませんが、この当たり前のことが意外と難しく、出来ていない方が多いのが実際のところなのです。
幼児のピアノのレッスンでも、まずドレミの簡単な音を覚えていくことから始めていきますが、5歳~6歳くらいまでは、視覚的に楽譜の五線の、音符の見分けが難しいと言われています。
そのためレッスンでは、線と間(五線の線と線のあいだのことを間と言います。)の理解を毎回繰り返し、時間をかけておこなっていきます。
・音符カード
入門や初級のオンラインレッスンで一番始めに使うのは、音符のカードです。
このカードを使いながらドレミファソを順番に覚えていきます。
幼児であれば、1音ずつ、ゆっくりと覚えていきますが、大人であれば、ドレミファソラシドの1オクターブを一気に覚えてしまうこともあります。
大人の方の場合、ト音記号(おもに右手を使って弾くほうの音符)は読める方や、覚えるのが早い方も多いのですが、ヘ音記号(おもに左手で弾くほうの音符)はなかなか難しく、覚えるのにも、すらすらと読めるようになるのにも時間がかかります。
ピアノは両手を使って弾く楽器なので、やはりヘ音記号を難なく読めることはキーポイントとなってきます。
・ソルフェージュ
オンラインレッスンでは、カードのほかに、ソルフェージュも取り入れています。
ソルフェージュというのは、
①音を聞き取る力をつける聴音。
②楽譜を読み、それを音で奏でる力をつける視唱。
③テンポやリズム感を身につけるリズム練習。
おもにこの3つの学びのことを指します。
幼児や子供のレッスンでは、簡単な聴音と視唱、リズム練習をおこないます。
簡単な音のフレーズを、講師がピアノを弾きならがら歌い、それを復唱させて音感を身につけたり、視唱のテキストを使って音を読み進めていく力をつけていきます。
リズム感をつけることも欠かせません。
リズムカードを使いながら、いろいろなリズムを手で叩きながら身につけていきます。
大人の方のピアノレッスンでは、ソルフェージュを取り入れることは少ないですが、より読譜力をつけたい方には希望を聞きながら取り入れています。
楽譜を読むことを嫌がり、耳で覚えて弾いてしまう幼児や子供は多いのですが、楽譜が読めないままピアノを継続していくと、やがて限界がきてしまいます。
始めは耳で聞いて、講師の手の動きを見て真似ながら出来てしまうことも多いですが、曲が難しくなってくると、ふだんの練習を自分で進めることが困難になり、楽譜が読めないためにピアノを弾くこと自体が嫌になってしまうケースは少なくありません。
大人の方は五線譜の把握も早いため、比較的楽譜を読めるようになるまでには時間はかかりませんが、やはり子供でも大人でも、曲を弾きたいという気持ちが早まって、楽譜をきちんと丁寧に読む、という行程を軽く考えてしまいがちです。
しかし、楽譜をしっかり丁寧に読めるか読めないか、ということは、その後のピアノ人生を左右するほど、とても大切なことなのです。
ずば抜けて耳が良く、どんな曲も耳コピで弾けてしまう、というような稀なケースを除いて、大抵の方は、耳で聞いて覚えてから弾くクセがついてしまうと後々苦労することになってしまいます。
そのためレッスンではまず、読譜力をつけることを重要視しています。
ピアノ実技だけでなく、ソルフェージュなどの様々な方面から、無理なく楽譜を読んでいく力を身につけていきます。
2. 指の基礎練習
ピアノのレッスンの始まりで、音を読むのと同時に進めていくのが、指の基礎練習です。
幼児や子供の初心者であれば、1音ずつゆっくり確実に、楽譜と鍵盤の音を、指と手に一致させ、頭と身体に馴染ませていきます。
大人の場合は、初心者でも、簡単な音の把握はできていたり、まったく音がわからなくても子供よりは音の理解がスムーズなため、まずは指をほぐしていくことから始めます。
・5本の指の体操
幼児や子供の場合は、まだ手の骨格もしっかりしておらず、ふにゃふにゃと柔らかいため、まずはピアノの鍵盤を弾く際の手の形を整えていきます。
逆に大人の場合は、骨格はしっかりできていますが、生活習慣やふだんの手の使い方によって癖があったり、とても力んで固くなってしまっていたりすることがあります。
どちらの場合も、まずは手の形がきれいなアーチになるように一本ずつ指をゆっくり動かしていきます。
ドレミファソの鍵盤の上に5本の指を置き、そのままの状態で、この5つの音の順番を変えたり、リズムを変えたりして動かしていくことで、だんだんに指が動きやすく、ほぐれていくようになっていきます。
ピアノを始めて最初の頃は、この5本の指の体操で指を動かして、だんだんと身体を鍵盤に慣らしていきます。
・ハノンピアノ教本
人がふだんの生活でおもに使う指は、親指、人差し指、中指の3本です。
薬指と小指の2本は支えたりする動きはしますが、独立して動かすことは少ないため、最初ピアノを始めると、鍵盤をタッチをするのがとても難しいことに気付かれると思います。
この薬指と小指をしっかりと独立させ、なめらかに動かせるようになるには、子供でも大人でもとても長い時間がかかりますが、ピアノを美しく奏でるためにはこの2本の指への意識はとても大切です。
ある程度5本の指を動かすことに慣れてきたら、指のテクニック練習の教材を取り入れていきます。
使用する教材は、生徒さんの年齢やレベルによっても様々ですが、ピアノの基礎練習にまず欠かせない教本と言えば、"ハノンピアノ教本"です。
このハノンピアノ教本は、スポーツで言えば筋トレのようなものです。
指の強化練習のための曲がぎっしり入っており、様々な指の動かし方を身につけることができます。
教本の始まりは、指の形にそって音のパッセージが作られているため、大人の方であれば、わりと初心者でも取り組みやすい教材です。
こういった指の基礎練習は、とても地味でコツコ積み重ねていくもののため、ふだんの練習でついつい怠りがちなものです。
しかし、怠りながらでも、少しずつ少しずつ指の基礎練習を継続していくことで、いつの間にか指が動きやすくなって、自由に滑らかに弾けるようになっていることに気がつくときが来ます。
そうなってくると、いろいろな曲をさらに楽しめるようになってきますので、ピアノをより楽しんでいくために、指の基礎練習は、休み休みでも、ぜひ少しずつ継続していってみてください。
3. 曲を弾いてみよう
さて、これまで楽譜を読む大切さ、指の基礎練習の重要性をお伝えしてきましたが、多くの方が、ピアノを弾きたい、習いたい、と思われたきっかけは、きっと、”音楽を楽しみたい”という気持ちがあったからですよね。
弾いてみたい憧れの曲があったり、思い出の曲があったり、ピアノをカッコよく弾いてみたい!という欲求であったり...
それぞれの方がそれぞれの思いを持って習い始めるのだと思います。
読譜力や、指の基礎をしっかり学ぶことはもちろん大切なことですが、これはなかなか根気のいることで、これらにとらわれてしまうとピアノの練習がとても億劫になってしまうことも事実です。
そうならないためには、弾いていて楽しい、面白い!と思える曲も同時にやっていくこともやはりとても大切です。
ピアノの習い始めは、なかなか指が思うように動かないことで、もどかしい気持ちになってしまうこともありますが、今は教材も豊富で、初心者でも簡単に楽しく弾けるように編曲されている楽譜もたくさん出ています。
自分の好きな曲に対しては、やる気も断然出てきますので、ピアノ生活を楽しみながら継続していくために、やってみたいお気に入りの曲をたくさん見つけていくと良いですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はおもに入門、初級編の、実際のオンラインピアノレッスンについて、どのように進めていくのかをお話ししてみました。
今後のレッスンを検討中の方は、ぜひ参考にされてみてくださいね♪