
Vox-yオンライン音楽教室 アコースティックギター、エレキギター講師の野田です。
今回はディレイの効果がわかりやすい、ディレイならではのギターフレーズをご紹介します。
4種類のディレイを使って8小節のギタートラックを録音しましたので、ディレイの使い方の参考にしてみてください!
また、使用したディレイも明記していますので、このなかで気になるディレイがある方も試奏動画を観るような感覚で聴いてみてください。
Eventide / TimeFactor Tape Echo

EventideのTimeFactorは、かれこれ5年くらい愛用しています。
ディレイ音は結構作り込めますし、MIDIやエクスプレッションぺダルも繋げるのでライブでの操作も余裕です!
TimeFactorには10種類もディレイが入っていて、そのうちのひとつはルーパーです。
加えて、2つのディレイを独立して設定できるため、正統派ディレイに見えて意外とユニークな使い方もできます!
ここではTimeFactorのテープエコーという種類のディレイを使って、フィードバック高めのギターフレーズを弾いてみます。
「Gmaj7 / Cmaj9」のコードを全音符で弾いています。テープエコーなしのギタートラックと聴き比べてみましょう。
《Tape Echo なし》
《Tape Echo あり》
- Setting -
BPM=120
Time / Half note (1000ms)
Mix / 55%
Feedback / 60%
テープエコーのかかったギターは、ディレイなしのギターよりリズミカルに聴こえますね。
ピッチの揺れ具合もコードのイメージに合っていると思います!
ミックスもフィードバックも高めなので、ギターのサステインが減衰したタイミングで2分音符のディレイがはっきり残っています。
ただ、今回のようにロングタイムでディレイを使用する際にはフィードバックの値に注意する必要があります。
フィードバックが高すぎると、次の小節にある原音にディレイ音が被ってしまいます。
それを想定してフィードバック値を上げるのは大丈夫ですが、意図せずに音が濁ってしまう場合もあるので、その点には注意しましょう。
FRACTAL / Axe-FxⅡ XL+ Reverse Delay
Axe-Fx III MARK II(現行モデル)
ここでは先程のテープエコーをかけたギターにリバースディレイをかけてみます。
ディレイ2個がけの状態ですが、音を馴染ませるためにパラレルでリバースと原音(テープエコーのかかった音)を混ぜています。
生産終了してしまったAxe-FxⅡ XL+ですが、まだまだ使えています。
今はAxe-FxⅢが現行品として流通していますね。

FRACTALは空間系が充実しているので、今回はAxe-FxⅡ XL+でリバースディレイをかけてみました!
《Tape Echo + Reverse Delay》
- Setting -
BPM=120
Time / 1bar (2000ms)
Mix / 80%
Feedback / 0%
リバースの逆再生の質感が足されて・・・なんとも言えない感じになっていますね...!
テープエコーだけのトラックと比べてみると、3、4小節目がリバースの音でしっかり埋まっているのがわかります。
こんな感じの浮遊感のあるサウンドを求めている方は、ディレイタイム長めでリバースディレイを使ってみてください!
WAVES / H-Delay Digital Delay
↓のバンドルにも入っています。

8分音符のギターフレーズにミックス高めの付点8分ディレイをかけることで、16分音符を詰め込んだフレーズに早変わりします。
とてもよく使われる手法なので、きっとどこかで聴いたことがあるサウンドだと思います。
ここでは7音のポリリズムを8分音符でひたすら弾いています。
リアピックアップでトーンを0に絞っているので、ちょっとこもったサウンドになっていると思います。
ディレイはWAVESのH-Delayというプラグインエフェクトを使いました。視認性が良く、直感的に操作できる使いやすいディレイです!
Wavesの各種バンドルに含まれています。
《Digital Delayなし》
《Digital Delayあり》
- Setting -
BPM=120
Time / 8dot (375ms)
Mix / 50%
Feedback / 35%
なんだかミニマルミュージックみたいになってますが、ディレイの使い方としては汎用性が高いので是非やってみてください!
僕はこの付点8分のディレイを聴くと、真っ先に「凛として時雨」の『DISCO FLIGHT』が思い浮かびます。
この曲のイントロはいつ聴いてもかっこいいです!
Avalanche Run & TimeFactor 発振
ディレイのなかには「発振」といって強烈なサウンドを出せるものがあります。
フィードバックを最大にしたりディレイタイムを短くすることでディレイを発振させることができます。
発振というとアナログディレイのイメージが強いですが、デジタルディレイでも発振できるものは多いです。
ここでは、EarthQuaker Devices / Avalanche Runとテープエコーのところでも使ったEventide / TimeFactorの2つのディレイを発振させてみました。
※ うるさい音なので再生する際は音量を控えめにしてください。
《EarthQuaker Devices / Avalanche Run》
《Eventide / TimeFactor》
アナログディレイのような発振ではないですが、デジタルディレイの発振もこれはこれで使えます!
Avalanche RunはTAPテンポのボタンを長押しすることで強制的に発振させられるので、その機能を使ってギターで弾いた音(Aの音)を発振させています。
発振に音程がつけられるのは便利ですね!
TimeFactorの方は発振させながらディレイタイムを変化させることで躍動感のあるサウンドを作っています。
飛び道具としても使いやすいので、ライブのギターソロでピックを落としたら足元にあるディレイを発振させてみましょう!
ちなみにアナログディレイの発振はこんな感じです↓
まとめ
今回はディレイを使った8小節のギターフレーズをご紹介しました。
ディレイはいくらでも応用が利くエフェクターなので、この機会にディレイの使い方を探求してみてください!
Vox-y音楽教室では、エフェクターの使い方についてのレッスンも可能です。
エフェクターのことでお困りの方は、Vox-y HP【オンラインレッスンを予約】からレッスンの予約を受け付けていますので、是非ご検討ください!
上記にある4つのディレイサウンドを重ねてみましたので良かったら聴いてみてください。
(かなりSF感のある音になりました。)
最後までお付き合いいただきありがとうございました!